杏クリニックは、胸痛を緊急性の高いサインとして最優先で診療。循環器内科専門医が心筋梗塞のリスクを迅速かつ正確に評価し、必要な場合は基幹病院へ直ちに連携できる体制を整えています。
胸痛とは
胸痛とは、胸部周辺に生じる痛みの総称であり、その原因は多岐にわたります。最も注意が必要なのは、心臓の病気(狭心症や心筋梗塞)によるものですが、肺、食道、胃、骨、神経、ストレスなど、心臓以外の臓器や要因で起こることも少なくありません。
胸痛の訴えがあった場合、循環器内科専門医の役割は、「それが命に関わる緊急性の高い心臓性の痛みかどうか」を迅速に判断し、適切な対応を行うことです。

すぐに受診すべき危険な胸痛
以下の症状が一つでも当てはまる場合、心筋梗塞や大動脈解離といった命に関わる病気の可能性があります。ためらわずに救急車(119番)を呼ぶか、緊急で受診してください。
- 突然、今までに感じたことのない激しい胸の痛みが始まった
- 痛みが20分以上持続している(狭心症の発作は通常数分で治まります)
- 痛みが背中や肩甲骨の間にまで広がる(放散痛)
- 痛みと同時に、冷や汗、吐き気、意識が遠のく感覚を伴う
- 狭心症の薬(ニトログリセリン)を使っても痛みが治まらない
胸痛の主な原因
胸痛の原因は心臓から消化器、精神的なものまで幅広く、正確な鑑別診断が必要です。
循環器系(最も緊急性が高い)
- 狭心症・心筋梗塞: 冠動脈の狭窄や閉塞による心筋の酸素不足(虚血)
- 大動脈解離: 心臓から出る大動脈の壁が裂ける病気
- 心筋炎、心膜炎: 心臓の筋肉や膜の炎症
- 不整脈: 頻脈や徐脈による心臓への負担
呼吸器系
- 気胸: 肺に穴が開き、空気が漏れる病気
- 肺炎、胸膜炎: 肺やその膜の炎症
- 肺塞栓症: 肺の血管に血栓が詰まる病気(緊急性が高い)
消化器系
- 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流し、胸焼けや痛みを引き起こす
- 胃・十二指腸潰瘍
その他、帯状疱疹や肋骨骨折などの骨の痛み、パニック障害などの自律神経の乱れも胸痛の原因になります。
循環器系の胸痛
命に関わる循環器系の胸痛は、痛み方や随伴症状に特徴があります。
| 潜む病気 | 痛みの特徴 | 随伴症状 |
|---|---|---|
| 狭心症 | 胸の圧迫感、締め付けられるような痛み。数分で治まる。労作時に多い。 | 肩や顎への放散痛 |
| 心筋梗塞 | 激しい痛み、20分以上持続。安静にしても治まらない。 | 冷や汗、吐き気、呼吸困難 |
| 大動脈解離 | 背中から胸にかけての引き裂かれるような激痛。痛みが移動することがある。 | 血圧異常、意識障害 |
| 心膜炎 | 呼吸や体動により増悪する痛み。 | 発熱 |
胸痛の診断
胸痛の原因を迅速に鑑別するため、当院では以下の検査を組み合わせて行います。
- 心電図(12誘導): 心臓の電気的な異常や、虚血(酸素不足)のサインを迅速にチェックします。
- 心臓超音波検査(心エコー): 冠動脈の血流障害による心筋の動きの低下(壁運動異常)がないか、弁や心膜の状態を評価します。循環器内科専門医による必須の検査です。
- 血液検査(迅速採血): 心筋の損傷を示すトロポニンTや、心臓の負担度を示すBNPなどの採血を迅速に行い、心筋梗塞や心不全の緊急性を評価します。
- 胸部X線検査: 肺の病気(気胸、肺炎)や心臓の拡大、大動脈の評価を行います。
- ホルター心電図: 不整脈や異型狭心症など、発作的に起こる胸痛の原因を24時間記録して特定します。

胸痛の治療
治療は、診断された原因疾患に応じて専門的に行われます。
| 原因疾患 | 治療の方向性 |
|---|---|
| 狭心症(安定型) | 薬物療法(抗血小板薬、β遮断薬など)による発作の予防と、動脈硬化のリスク管理(高血圧・脂質異常症の治療)を徹底。 |
| 心筋梗塞・不安定狭心症 | 緊急カテーテル治療が必要。速やかに専門病院へ連携。 |
| 消化器系(逆流性食道炎など) | 胃酸を抑える薬など、消化器疾患に対する薬物療法。 |
| 心因性 | 検査で心臓に異常がないことを確認し、不安を解消。ストレス管理や自律神経を整える治療。 |
当院での胸痛治療
杏クリニックは、地域の患者様の胸痛に対して、「心臓専門医にすぐに診てもらえる安心感」を提供します。
緊急性の高い心臓性胸痛の迅速な鑑別
循環器内科専門医が問診、心電図、心エコー、そして迅速血液検査を組み合わせて、来院後すぐに心筋梗塞の緊急性を判断します。この迅速な鑑別能力が、患者様の予後を大きく左右します。
基幹病院へのスムーズな連携体制
心筋梗塞や不安定狭心症、大動脈解離など、緊急カテーテル治療や手術が必要な疾患が疑われる場合は、一刻の猶予なく地域の基幹病院や専門施設へ連携・搬送を行います。当院は、紹介後のフォローアップ体制も確立しています。
心臓以外の原因も含めた総合的な診断
胸痛の訴えに対し、心臓専門の検査で異常が見つからなかった場合でも、「気のせい」で終わらせません。呼吸器、消化器、神経、精神的な要因まで幅広く鑑別し、適切な治療や専門医への紹介を行います。
よくある質問(FAQ)
痛みが一瞬で治まりました。病院に行く必要はありますか?
痛みが一瞬で治まる場合は、心臓以外の原因(神経痛など)の可能性もありますが、心臓の期外収縮や軽度の狭心症でも同様の症状が出ることがあります。自己判断は危険です。特に高血圧や糖尿病をお持ちの方は、循環器内科で一度検査を受けることを強く推奨します。
ストレスが原因で胸痛が起こることはありますか?
はい、あります。過度なストレスや不安は自律神経を乱し、胸痛(心因性胸痛)や動悸を引き起こすことがあります。しかし、この場合でも心臓に異常がないことを確認するために、循環器内科専門医による精密検査を最初に行うことが大切です。
胸の痛みが胃のあたりでも、心臓の病気でしょうか?
その可能性は十分にあります。心臓の痛みが胃のあたり(心窩部)や背中、肩に放散することがあります。特に高齢者や糖尿病患者では、痛みがはっきりしない atypicalな症状が多いです。胃痛と自己判断せずに、循環器内科の診断を受けてください。
杏クリニックで心筋梗塞の手術はできますか?
当院は外来・在宅医療を専門としており、心筋梗塞の緊急手術やカテーテル治療は行っておりません。しかし、心筋梗塞の疑いがある場合は、迅速に診断し、連携先の専門病院へ直ちに紹介・搬送する体制を整えています。一刻を争う対応が可能です。
胸の痛みは「歳のせい」「ストレス」と安易に片付けず、命を守るために循環器内科専門医の診断を最優先してください。狭山市の杏クリニックにご相談ください。