杏クリニックは、発熱を単なる風邪と判断せず、特に心臓病や糖尿病など慢性疾患を持つ患者様に対して、重症化のリスクを念頭に置いた迅速かつ総合的な鑑別診断と治療を提供します。
発熱とは
発熱とは、体が病原体(ウイルスや細菌など)の侵入を感知し、それらと戦うために体温を上昇させる防御反応です。
しかし、発熱の原因は、一般的な風邪(上気道炎)だけでなく、肺炎、尿路感染症、腸炎といった感染症や、膠原病、悪性腫瘍、薬剤の副作用といった非感染症まで多岐にわたります。自己判断で市販薬を服用する前に、その発熱が何を原因としているのか、正確な診断を受けることが重要です。

発熱の危険性
発熱は、特に以下のリスクを持つ患者様にとって、命に関わる重症化や持病の悪化に直結する危険なサインです。
- 高齢者: 発熱に伴う脱水や食欲低下により、体力や免疫力が急激に低下し、肺炎などを合併しやすい。また、症状が典型的に現れにくいため、重篤な感染症が見逃されやすい傾向があります。
- 慢性心不全: 発熱は心臓に大きな負担をかけ、心不全を急速に悪化させ、入院が必要になる主要な原因となります。
- 糖尿病: 発熱が血糖コントロールを悪化させ、重度の合併症(ケトアシドーシスなど)のリスクを高めます。
- 心臓弁膜症: 感染症による発熱は、心臓弁に細菌が付着する感染性心内膜炎という重篤な疾患につながるリスクがあります。

発熱の原因
感染症(最も一般的な原因)
- 上気道炎(風邪)、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症: 喉の痛み、咳、鼻水などを伴う。
- 肺炎、気管支炎: 咳や痰がひどい、息苦しさを伴う。
- 尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎): 排尿時痛や頻尿、脇腹の痛みを伴う。
- 腸炎(胃腸炎): 腹痛や下痢、嘔吐を伴う。
非感染症
- 膠原病・リウマチ性疾患: 関節の痛みや皮膚の症状を伴う。
- 悪性腫瘍(がん): 特に原因不明の発熱が続く場合(不明熱)。
- 薬剤熱: 特定の薬の副作用として発熱する。
すぐに受診すべき
発熱時の症状
以下の症状を伴う発熱は、重篤な疾患の可能性があり、一刻を争います。すぐに医療機関を受診してください。
- 意識が朦朧とする、呼びかけへの反応が鈍い
- 呼吸が速い、息切れがひどく苦しい
- 激しい頭痛や嘔吐を伴い、首が硬い(髄膜炎の疑い)
- 水分が摂れず、強い脱水症状がある
- 胸の痛みや動悸を伴う
- 高齢者で、38℃以上の発熱が2日以上続く
発熱の診断
発熱の原因を特定し、適切な治療方針を決めるため、症状と身体所見に基づき必要な検査を行います。
- 迅速検査: インフルエンザ、新型コロナウイルス、溶連菌など、特定の感染症をその場で診断します。
- 血液検査: 白血球やCRP(炎症反応)の数値から、感染の重症度や細菌・ウイルス感染の可能性を判断します。
- 尿検査: 尿路感染症の有無をチェックします。
- 胸部X線検査: 肺炎や心臓の拡大(心不全)の有無を評価します。
- 循環器専門検査: 慢性疾患を持つ方で心臓への影響が疑われる場合、心エコー(心臓超音波検査)を行い、心臓の機能や弁の状態を評価し、感染性心内膜炎などのリスクを見逃しません。
発熱の治療と対応
治療は、原因疾患に対するアプローチと、症状を和らげる対症療法を組み合わせます。
対症療法(症状緩和)
- 安静と水分補給: 体力の回復と脱水予防が基本です。
- 解熱剤(アセトアミノフェンなど): 高熱や体のだるさが強い場合に、症状を和らげるために使用します。
原因疾患への治療
- 細菌感染: 肺炎や腎盂腎炎などに対しては、原因菌に合わせた抗生物質による治療を行います。
- ウイルス感染: インフルエンザなどに対しては、抗ウイルス薬を使用します。
- 基礎疾患の管理: 心不全や糖尿病など持病の悪化を防ぐため、内服薬の調整や厳重な管理を行います。
当院での発熱診療
杏クリニックは、特に発熱によって重症化リスクの高い患者様に対して、専門性と総合性を兼ね備えた診療を提供します。
院内感染対策とスムーズな検査
感染症の疑いがある患者様には、動線を分けて診療を行うなど、他の患者様への感染リスクを最大限に抑える対策を講じています。院内で迅速検査を行い、早期に診断を確定します。
慢性疾患合併患者への専門的対応
循環器内科専門医として、心不全、高血圧、糖尿病を合併する患者様の発熱に対して、心臓への負担を最小限に抑える薬の選択や、持病の悪化を防ぐための迅速な内科的介入を行います。
通院困難な方への訪問診療連携
発熱により体力が低下し、通院が難しい患者様、あるいは高齢者や重度の慢性疾患を持つ方で移動が困難な方に対しては、当院の在宅医療の体制を活かし、訪問診療での対応も選択肢として提供可能です。
よくある質問(FAQ)
発熱時に解熱剤はすぐに飲んだ方が良いですか?
38℃程度の発熱は体が病原体と戦う上で必要な反応ですので、無理に下げる必要はありません。ただし、38.5℃以上の高熱や、だるさ、頭痛で水分が摂れないほどつらい場合は、速やかに解熱剤を使用して安静にしてください。
発熱で受診する際、注意すべきことはありますか?
受診前に必ずクリニックに電話でご連絡ください。感染対策のため、来院時間や入口を指定させていただく場合があります。また、いつから、何度熱が出たか、咳や喉の痛み、下痢などの随伴症状、現在服用中の薬の情報もご準備ください。
高齢者の家族が発熱しました。病院に連れていくべきか迷います。
高齢者の発熱は、重篤な感染症が隠れている可能性が高いため、原則として医療機関の受診を強く推奨します。特にぐったりしている、食事が全く摂れない、咳がひどい、意識がはっきりしない場合は、すぐに当院にご相談いただくか、救急対応を検討してください。
杏クリニックは在宅医療のイメージが強いですが、発熱の外来診療は行っていますか?
はい、行っています。当院は地域の内科診療所として、お子様からご高齢の方まで、幅広い発熱の患者様に対応しています。特に慢性疾患をお持ちの方の発熱に対する対応は、当院の得意分野です。
発熱は、特に持病を持つ方や高齢者にとっては危険なサインです。ご不安な際は、狭山市の杏クリニックにご相談ください。